木村の打音表現
打楽器を用いて音表現をする人を打楽器奏者、パーカッショニスト、などと呼びますが、自分をそう呼ぶのはどうもそぐわない感じがします。
私の使用する楽器は通常の打楽器だけではなく、日用品(フライパン、すき焼鍋、ゴミ箱、衣類箱・・多々)も使い、
奏法も 叩く、落とす、擦る、引っ掻くと様々でありまして、
打楽器奏者というよりも 打音奏者 のほうが合っている気がします。
使用楽器は写真を見て頂くとお分かりのように(ごく一部のセッティングですが)普通のドラムセットのようですが、
メーカーやサイズの統一性はなく、どう響くか ということで選んでいます。
それに日用品などを加えて音表現をおこないます。
共演者がいる場合は即興演奏に重きを置きますが、ソロ演奏ではある程度、音の流れを考えて臨みます。
打楽器というのは微細な音からダイナミックな音までを表現できる楽器でありますが、
メロディーのない打音でどういった情感表現ができるのかという試みも模索中です。
■撮影 高津 吉則
※印 photo by 伊江郎